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ホームインスペクション

不動産売却の知識箱

ホームインスペクション
(建物状況調査)って何?
売主メリットあるのか

この記事の概要

近年、不動産売買の現場でよく見られるようになった「ホームインスペクション(建物状況調査)」。一見、買主様にしかメリットのない検査にも思えますが、実は不動産を売る方にとっても非常にメリットが大きいのです。
インスペクションのメリットや検査対象を知って、実施を検討してみましょう。

ホームインスペクション(建物状況調査)とは?

ホームインスペクションとは、建物の欠陥や劣化の状況を確認する検査です。検査するのは、国土交通省に認められた専門家。第三者機関のプロに建物の状況を検査してもらうことで、客観的に、中立的に建物の状況を知ることができます。

何を検査するの?

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出典:国土交通省

インスペクションで検査するのは、建物の基礎や外壁など構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分です。検査にかかるのは、2〜3時間で、費用は5万円ほどから。2018年には不動産会社にインスペクションの説明や斡旋の有無を確認することが義務付けられているため、不動産会社に依頼すれば簡単に実施できます。

インスペクションは修繕ではない

ホームインスペクションを行うと、住宅の劣化や欠陥が分かります。雨漏りのようにすぐ修繕した方が良い事項と、サイディングのコーキングの小劣化のように、先々修繕した方が良い事項など、将来的な修繕と費用に付いてもアドバイスをもらえます。
ただし、修繕が必要な箇所があったとしても、売主様に修繕する義務はありません。あくまで、インスペクションは状況把握が目的です。

米国では実施が一般的

日本以上に中古不動産の取引がさかんなアメリカでは、売買前にインスペクションをするのが一般的です。
中古物件は、住んできた方のメンテナンスや使用状況によって状況が大きく異なり、住宅の欠陥の多くは目に見えない部分に潜んでいます。日本でも、近年では国をあげてインスペクションを推進しており、その重要性は認知され始めています。

売主様がインスペクションを受けるメリット

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ホームインスペクションは、買主様の「安心」のための制度です。しかし、買主様がメリットに感じてくれるということは、間接的に売主様のメリットにもなります。加えて、2020年の民法改正によって、不動産の売主に課せられることとなった「契約不適合責任」のリスクもインスペクションによって低減します。

物件の付加価値になる

中古住宅を購入する人は、多かれ少なかれ不安を感じています。新築物件のように、立地や価格、性能、間取り、広さだけではなく「劣化状況」も物件選びのポイントとなります。
不動産に限ったことではありません。中古のブランド品を見るときには、誰しもが傷の有無や使用感、修繕が必要ならその費用を購入前に知りたいと思うものでしょう。状態がわからないものに購入意欲は湧かないはずです。
不動産は、ブランド品よりはるかに高額なものであり、家族の生活の基盤となり命を預ける場所。「状況・状態がわかる」というのは、物件の大きな付加価値となります。

「契約不適合責任」のリスクが減る

売主様の直接的なメリットとして、契約不適合責任を負うリスクが減ることが挙げられます。
契約不適合責任とは、2020年の民法改正で「瑕疵(かし)担保責任」に代わって不動産の売主が負わなければならなくなった責任です。この責任により、売却後に契約に適合していない欠陥などが発覚した場合、売主様は減額や修繕費用の負担などをしなければなりません。また、損害賠償請求や契約解除にまで発展するおそれもあります。
売買前のインスペクションの目的は、状況把握。売主様および買主様が、目に見えない部分までの状況を把握することで、売主が契約不適合責任を負うリスクは格段に下がるといえるでしょう。

保険の加入も

既存住宅状況調査技術者講習を修了した技術者が、告示で定められた方法基準に則って調査するインスペクションによって問題がみられなかった場合、あるいは問題のある箇所を修繕した場合には「瑕疵(かし)保険」に加入できます。瑕疵保険とは、売買後に発覚した構造耐力上主要な部分や雨水が侵入する部分に欠陥が生じた場合に、修繕費用などを保証してくれる保険です。
検査に加え保険へ加入できれば、売主様の契約不適合責任のリスクはさらに引き下がるといえるでしょう。

インスペクションでフラット35「維持保全型」の対象に

金利引き下げメニュー

出典:住宅金融支援機構

全期間固定金利で借り入れられるフラット35は、2022年4月の改正で「維持保全型」というタイプの提供がスタートしました。このタイプは、簡単にいえばお得な金利で借り入れられるというもの。借り入れ対象物件の1つとして「インスペクションを実施した物件」があります。

フラット35維持保全型の中古物件対象

  1. 長期優良住宅
  2. 管理計画認定マンション
  3. 安心R住宅
  4. インスペクション実施住宅
  5. 既存住宅売買瑕疵保険付保住宅

フラット35維持保全型の対象となる中古住宅は、上記5つ。この中でも、インスペクションの実施はその他の要件と比較して期間や費用面でハードルが圧倒的に低いといえます。
買主が受けられるメリットは、当初5年間の金利0.25%引き下げ。インスペクションの実施によって競合物件と大きく差別化できるといえるでしょう。

2022年10月からさらにインスペクションのメリットが増加

2022年10月以降借入申込み受付分から【フラット35】の金利引き下げ方法が変わります!

出典:住宅金融支援機構

2022年10月からは、さらにフラット35におけるインスペクション実施済の優遇が大きくなりました。維持保全型タイプにかかわらず、インスペクション済物件は優遇金利が適用となります。

フラット35適合証明審査とインスペクションの違い

フラット35適合証明審査とインスペクションの違い比較表

出典:住宅金融支援機構

フラット35の対象物件となるには「フラット35適合証明審査」が必要です。フラット35の基準項目は、上記の通り。審査も住宅検査であることは変わりありませんが「状況把握」ではなく「基準を満たしているかどうか」を審査されます。よって、インスペクションにある報告書などはありません。
また、そもそもフラット35は「70㎡以上の一戸建て」と「30㎡以上のマンション」を対象としているため、この要件などを満たさない物件はフラット35適合証明審査を受けることはできません。
「報告が欲しい」「フラット35に適合できればいい」「フラット35の要件を満たしていない」など、状況や意向に応じてインスペクションとフラット35適合証明審査を使い分ける、あるいは両方実施することをおすすめします。

インスペクションで物件の付加価値と取引の安心を付帯

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ホームインスペクションは、買主様のためだけの制度ではありません。売主様にとっても、不動産の魅力を高め、売買後の安心につながるという大きなメリットがあります。
今は、「インスペクション済」と謳って販売されている中古住宅は多くありません。しかし、だからこそ競合物件と差別化できるのです。弊社でも検査業社のご紹介をさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。

もしこの記事で分からないことがあれば、お気軽にご連絡下さい!

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